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松本市 / Y邸 / 夫婦2人+犬1匹
Y邸に招かれたなら、誰もが「お洒落なカフェみたい!」と声を弾ませるに違いない。開放的な吹き抜けのLDKには鈍く艶を放つアンティーク家具が配され、そこかしこに微笑ましい雑貨が華を添えている。しかし意外にも、「この家のために新調したものはほとんどないんです」というから驚きだ。
「旅行に行っても観光より雑貨を見ている時間の方が長くて」とご主人が苦笑するほど、雑貨屋巡りが大好きだという奥さま。いつか理想通りの家を建てる時を夢見て、気に入ったアンティーク家具や小物をひとつずつストックしてきた。以前住んでいたのは築40年ほどの中古住宅で、「冬の寒さが堪えましたね」とご主人。いざ建て替え!となった折、新居に求める希望はふたりの中で迷う間もなく一致した。「集めてきたインテリアにぴったりの、暖かな家」だ。
Y邸にはドアがほとんどない。これは「細かく部屋を分けず、大きなワンルームのようにしたい。そして家の中に温度差を作らない」という考えのもと。リビング南側の壁一面を窓ガラスとしたことで家の中に光が降り注ぎ、「冬はここから日差しがたっぷり入り、暖房がなくても温かいくらい」なのだとか。暖気が逃げるから…と躊躇する人も多い吹き抜けだが、気密・断熱の施工をしっかり行えば家中に快適な温度を届けることができ、同時に抜群の開放感ももたらしてくれる。
もちろん理想の雰囲気を再現する演出も随所に。重厚で風合い豊かなアンティーク家具との相性を考え、床にはエイジング加工を施した無垢フローリングを採用。柱やキッチンキャビネットはご夫婦自ら角をカッターで削り、ざっくりと斧で仕上げたような細工を施した。住み始めて3年が経つY邸。「この家は、住めば住むほど味わいが増すかのよう。最初の頃よりもっと愛着が湧いてきました」と話してくれた。(ナガノの家 2014年春夏号 vol.1掲載)