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安曇野市
「北欧×日本のエッセンス ~ジャパンディ~」
この家のテーマは、北欧デザインと和の要素のかけあわせ。
北欧デザインは、長く厳しい冬を心地よく過ごすために生み出され、職人たちへの尊敬と自然への愛情を感じるデザインとして知られている。
そんな北欧デザインに日本らしさを掛け合わせたインテリアスタイルは「ジャパンディ」とも呼ばれ、近年注目されているインテリアスタイルだ。
明るい太陽が差し込む吹抜け。
ポイントカラーとして映える、エレガントなゴールド。
見せる収納の棚に使われた、素朴なタモ材。
グレイッシュの塗装をかけたオークの床。
真っ白な壁をくり抜くようにして生み出された、ギャラリーにあるような飾り棚。
職人がつくった、オリジナルデザインのテレビボード。
そのどれもが、あたたかくおおらかで、
なおかつスタイリッシュ。
ものづくり文化に誇りを持ち、自然と共に生きてきた私たち日本人が愛着を感じるインテリアだ。
北欧テイストと日本の感性が入り交ざり、洗練された空間に仕上がっている。
「グレーを基調としたモダンスタイル」
この家のテーマカラーに使われているのは、表情豊かなグレー。
たとえば、LDKに入って最初に目に入る「キッチン」。
あるいは、「カップボード」に採用した、職人手づくりの美しい天板。
天井まであるLDKの「ハイドア」や、玄関で家族やお客さまを出迎える「壁タイル」。
さらに「ウォールカラー」などにも、それぞれニュアンスの違うグレーを散りばめている。
こうしてキーカラーで統一感を出すことでスタイリッシュにまとめながら、ニュアンスの違いで心地よさを感じる空間に。
さまざまなトーンや質感を持つグレーは、贅沢に使用した「無垢材」とも相性がよく、お互いの美しさを際立たせている。
「扉でつながり、空間を広げる和室」
LDKは18帖と広々とした空間を確保。家族全員が集まって、居心地よく時間を共有できる空間になっている。
さらに、お子さまの遊び場としてもちょうどいい「和室」をリビングに隣接。
モダンな美しさのあるこの和室は、扉を開けるとリビング空間を拡張することができ、キッチンで料理中にも目が届くようになる。
ツヤを落としてシックな雰囲気にしたサクラ板の床の間には、花や植物だけでなく、お気に入りのオブジェなどを飾るのもいいだろう。
「趣味を楽しめる明るいミセスコーナー」
玄関からLDKに入ってすぐ左手には、奥様が趣味のミシンに集中できるようにと、階段下を活用した「ミセスコーナー」を設置。
LDKの吹抜けの一部を頭上にかまえているため、開放感と明るさがあふれる。
扉を開けておけば、リビングやキッチンにいる家族と同じ空間を共有することもできる。
カタカタとミシンを使いながら聞こえる子どもたちの笑い声は、きっとできあがる作品にも縫いこまれるはずだ。
「2階のファミリースペースは、大人も子どもも居心地のいい空間」
階段を上がったところに、腰かけられるベンチとご主人用の書斎カウンターを造作した。
相対する位置には本棚があり、大人も子どもも落ち着いて過ごすことができる。
書斎コーナーからまっすぐ視線を前にやると、明るく光が差し込む窓が見える。
床には白樺の一種であるバーチ材を採用し、肌ざわりのなめらかさとすっきりとクリアな見た目を加えた。
ひらけた空間ながら、プライベート感もしっかりとあるこの不思議な場所は、家族で共有できる大切なスペースのひとつだ。
「日々に遊びゴコロを加える小庭」
玄関を上がって右手に目をやると、窓越しに小さな庭を見ることができる。
小庭の奥には板で壁をつくっているため、この玄関からのみ楽しむことのできる特別な庭だ。
夜は照明でグリーンをライトアップすることも可能で、抜け感のある玄関を演出。
縦の細長いスリット窓から見えるその植物は、家族を毎日出迎え、送り出し、きっとこの家のシンボルツリーとなっていくだろう。
「憧れを詰め込んだ外観」
外観についてのお打ち合わせの際、ある写真を持って現れたお客様。
それは、普段からとても素敵だと思ってらっしゃる美容室の写真で、これをモチーフに外観を作りあげたいということだった。
そこで、憧れの理由を探りながら、要素を取り入れて外観をデザイン。
内観との調和を考慮しながら、白い塗り壁と、無垢杉板フレームを採用。
杉の木には素朴なオリーブ色を塗装し、やさしい表情が出るように。
軒裏にも美しい板をはり、角度を変えても目に入るようにぐるりと家を囲んだ。
ポストなども杉板にマッチするカラーにして雰囲気を整え、ひとめ見て「素敵だ」と思えるよう細部まで工夫をこらした。
中のインテリア同様にやさしさとスタイリッシュさのバランスをとり、お客様の憧れを詰め込んだ外観となっている。