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長野市 / M邸 / 夫、妻、長女、長男、犬1匹
家に一歩入った瞬間、まっさらな白い空間が広がるM邸。「つくるなら、白い家と決めていたんです」と話す奥さまは、独身の頃から家づくりに興味を抱き、たくさんの情報に触れながらイメージを育ててきたという。建築に携わるお父さまの話に耳を傾けながらいろいろな家を見るうちに、「家は、飽きないこと・家族にとって居心地がいいことも大事と気づくようになった」と振り返る。
そうした視点を活かして始まった家づくりでは、プランニングには特に注意を払ったという。あえてオープンなつくりを避けて明快に区切ること、階段をリビングではなく玄関ホールに設けることにこだわった。「子どもが幼い時は皆一緒がいいけれど、思春期を迎えた子どもには必ずしもオープンがいいわけではないと思って」。親からすれば、子どもの様子は気になるものの、子どもには子どもの考えや付き合いだってある。「子どもを信頼して尊重するのも大事」というアドバイスをしたのは前述のお父さまという。あえて玄関ホールに階段を設けたのは思春期の子どもの尊厳を保つため。子ども部屋も少し広めに確保した。「成長すれば親子でケンカをして顔を見たくないときだってあるはず。冷静になれる距離を保つのもいい」とご主人も頷く。
「友人を連れてきたら、リビングの扉をあけて親に紹介する。そういう家族でありたい」とご夫妻。まっさらな白い家は、子どもたちの尊厳を大事にして成長を見守るご夫妻の愛情に満ちている。(ナガノの家 Vol.18 2022年 秋冬号掲載掲載)