上田市 ／ 木本邸 ／ 本人

築50年の住居付き商業ビルから　バウハウスを思わせるお洒落な建物へ

昔ながらの老舗と今風のお洒落な店が混在する、上田の中心・海野町商店街。会社の寮を出ることになり住む場所を探していた木本さんが出会ったのは、その商店街で空き家になって久しい、築50年の４階建て商業ビルだ。「レトロ感がひと目で気に入って。商店街のビルに住むという意外性で、『面白がられたい』っていうのもありましたね（笑）」と丸ごとの購入を決意し、２～４階の改修をすることとなった。

　木本邸は、リフォームワンが手掛ける「70‘ｓＯＮＥの家」のリノベにぴったりの家。飲食店だった２階は趣味の写真スタジオに改装し、住居だった３階は仕切りをすべて取り払って開放的なワンルームに。古さを程よく残しつつ、古物屋で探したり木本さんがＤＩＹした味わいある建材や家具を取り入れた。４階は主に水回りで、ヴィンテージ風の造作洗面所を設置。味気なかったバルコニーも、「ここでビールを飲んだら最高だろうな」と思わせる、風が吹き抜けるアウトドアリビングに一変した。

　独特の“こなれ感”のせいか、初訪問なのに不思議と落ち着ける木本邸。「友だちの多くは『今から行っていい？』と急に連絡して来て、思い思いに過ごしていくんです」。趣味の音楽仲間たちがふらっと立ち寄りたくなる、肩の力を抜いて暮らしを楽しめる家だ。

（ナガノの家リフォームリノベーション　Vol.5　2021-2022掲載）