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長野市 / N邸
扉を開けると、吹き抜けに伸びる優美ならせん階段。アイアンの手すりが曲線を描き、シャンデリアが輝くこのホールは、「理想通りになりました」と話すオーナーNさん一番のお気に入り。住まいの顔としてゲストを迎え、自身の心も豊かにしてくれる。
Nさんのイメージソースは、フランスやイタリアなど旅先で出会った欧風のインテリア。東邦建工の担当者に写真でイメージを伝え、インテリアコーディネーターと相談を重ねた。天井は通常より約20㎝高くし、さらに吹き抜けで伸びやかさを強調。下がり天井や縦長の美しい窓、さらに欧米で用いられるモールディング(装飾用の廻り縁)を多用するなど細部にまでこだわり、ヨーロピアンスタイルの空間を完成させた。家具や照明、カーテンはNさん自らセレクト。真っ白なホール、バラモチーフの寝室など空間ごとにテーマがあり、扉を開ける度に違う世界が広がる。
1階LDKは、黒と赤でモダンにコーディネート。「食べたり飲んだりが大好きな家族がにぎやかに集えるように」と、オープンキッチンを囲むワンルームに収めつつ、リビングとダイニングの上部は吹き抜けにしてメリハリをつけた。印象的なのが光の演出だ。日中は高窓から光がふんだんに差し込み、夜にはステンドグラスが幻想的な美しさを放つ。「夜に外から眺めると、昼とは違う表情でうっとり。ステンドグラスは作家の先生にイメージを伝えてオーダーしました」。住み手の好きなものや美意識を形にした、この世にひとつの住まいだ。
(ナガノの家 2017年秋・冬号 vol.8掲載)