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上田市 / T邸 / 夫、妻、長女、夫の母、犬2匹
T邸の家づくりは、「フェラーリを眺められる家っていいよね」というひと言から始まった。車関係の仕事に就くご主人にとって、車は特別な存在。寛いでいる間も愛車が視界に入るよう、リビングとガレージを一体にするという斬新な発想を家づくりの主軸に据えた。障壁となったのは、構造上の問題。ガレージと吹き抜けのリビングを併設するには補強のための柱や梁が必要となり、“一体感”は難しい。この難題に答えたのが東邦建工が手がけるパナソニックのテクノストラクチャー工法。強固な構造部材により、高い安全性を確保しつつ広がりのある空間を実現した。
第2のこだわりは、家の中央を貫くカーブ階段。当初は玄関の上がり框の目の前に階段の上り口を設けたいと考えていたが、空間バランスがどうにも上手くいかない。事態を打開したのは、「上り口を反対側にしては」という奥さまのアイデア。優美な曲線を描くカーブ階段が実現し、1階ランドリーからテラスへの家事動線も良くなった。
そのほかも、ご夫妻の美的センスと同社の情熱は細部に渡っている。例えば階段の手すりは、ご夫妻のイメージを忠実に再現すべく担当者が鉄工所へ特注したもの。照明にもこ
だわっていて、専門の照明デザイナーに依頼。広がりを演出したり幻想的な雰囲気を醸したり、空間に応じた照明の使い分けが実に見事だ。ご夫妻、担当者、コーディネーター…家を取り巻く人々の発想力が化学反応を起こし、どこを切り取っても画になる美しい住まいが完成した。(ナガノの家 2016年春夏号 vol.5掲載)