飯綱町
有限会社土倉製材所
有限会社土倉製材所 (飯綱町)
長野市 / N邸
大学教員の退職を機に、幼少の頃から憧れだった森に囲まれた暮らしをスタートさせたNさん。4~5年前から長野県のさまざまな土地を巡るなかで北信の山や森の深さに惹かれ、近くに姉夫婦が住んでいたことも後押しとなりここに家をつくることを決めたという。施工は、姉夫婦の住まいも手がけた土倉製材所に依頼。ログハウスの家づくりが始まった。
プランを検討するなかで、最大の課題は職業柄所有している膨大な量の文献をどう収納するかだったという。「当初は収納しきれるか不安もあった」というNさんだが、当時生活拠点としていた大阪から何度も足を運んで打ち合わせを重ね、十分な収納量とふたつの書斎を備えたログハウスが完成した。
完成した住まいは、長期優良住宅仕様。長く安心して住み続けられる性能を備え、さらに断熱性能にもこだわった。寒い冬でも薪ストーブ一台で家じゅう暖かく快適という。また、建物の主要構造には国産のスギ、床はカラマツ、柱は強度のあるヒノキ、壁には明るい色合いのパイン材を使用。さまざまな樹種をふんだんに使用した住まいを見て、「まるで家自体が森のよう」とNさんは嬉しそうに語る。
一日の大半を過ごす書斎の窓からはシラカバやカエデなど森の木々を眺めることができ、もう一方の書斎の窓からは飯縄山が、西側のデッキからは遠くに戸隠山が望める。書物に向き合い研究に没頭するNさんにとって、ふと視線を上げると目に入るこの景色は最高の癒しという。「研究はライフワーク」と語るNさん。木の温もりを感じる森のような住まいでこれからも研究活動に励むそうだ。(ナガノの家 Vol.12 2019年秋・冬号掲載掲載)