長野市
株式会社 BlackPepper
株式会社 BlackPepper (長野市)
長野市 / 竹内邸 / 夫、妻、長女、次女、長男
暮らしの中で加わる色やモノ
変化を受容する余白を持って シンプルに、 美しく
高い断熱性能と簡素美をもつ住まいは
住む人をまるごと受け止める
だから 「好き」 が長く続く
ずっと大切にしたくなる
ブラックペッパーのデザイナー・竹内さんが自宅の建築を考えるようになった頃に偶然見つけたのが、元店舗だった中古物件。手掛ける仕事の多くが木造新築住宅の設計・施工だというが、「中古の建物が自らのデザイン力と当社の技術力でどこまで価値を上げられるか、新しい可能性を予感しました」とリノベーションのきっかけを振り返る。
まずは同社の基本姿勢でもある断熱性能強化を徹底。もともと一枚ガラスの大型FIX窓があった2階の大開口は、既存を生かしつつ性能補強し、広い空間をさらに伸びやかに印象付けるフォーカルポイントとしている。洗練と簡素美を極めた空間に惹きつけられるが、設計の際には自らデザインしたダイニングテーブルを軸にして置きたいもの・愛用したいものを決め、それらが生きるよう空間を構成。「自宅なので、普段は提案しないことにも挑みました」と竹内さん。2階LDKが土間仕上げなのもそのひとつ。「靴で生活できるようにしたんです。靴で歩いた床にはモノを置きたくなくなるので」。人の動きや心理を捉え、“長く住むこと”に真正面から向き合った住まいは、暮らすほどにその奥行きを実感し、住む人の愛着を深めていく。
-Plan Point-
既存鉄骨造を生かし、間仕切りや用途を変えてリノベーション。床・壁・天井の断熱を徹底し、外壁には同社標準の210ミリ厚のグラスウールを充填。元々パイプシャフトだった400ミリ厚の東側壁面には、壁厚丸ごと断熱材を充填した。1階はガレージと子ども室、2階は生活空間と寝室を配置。幅広の階段は、既存の店舗用鉄骨階段をそのまま活用。カーペット敷きのゆったりした階段は昇降しやすく、2階LDKでも負担を感じにくい。
(ナガノの家 PREMIUM 2021掲載)