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長野市 / M邸 / 夫、妻、長女、長男
高台に建つM邸の目印は、青空が似合うブルーの外壁と三角屋根。広いバルコニーからは市街地が一望でき、窓を開けるとLDKと一体となって心地よく風が抜ける。
住宅街ながら視線が気にならないこのバルコニーは、実は2階ではなく1階。M邸は階段状の敷地の一部を切り欠いて造成し、道路の高さに地下1階、上部に1・2階を設けた3層から成る住まいだ。計画の発端は「地下室のある家に住みたい」というご主人の夢。地下室の実績豊富なミツヤジーホームに相談したところ、「土地を部分的に掘れば地下室と駐車スペースができます」と快諾。これは一部特許の地下室の技術があるからこそ実現できる構造で、地下を活用することで73坪の敷地におおらかな空間を作り出した。
玄関から続く地下ホールはコンクリート打ち放しで、外観の印象とは一変した無骨な空間。男の隠れ家をイメージし、ダメージ加工のフローリングやレンガ風クロスを合わせたご主人こだわりのスペースだ。同じ階には、地下の静かさを生かして寝室を配置。奥さまは「幼い頃読んだ『ピーターラビット』の動物たちの“地中の寝ぐら”が居心地良さそうで、地下の寝室が憧れでした」と笑う。
シックな地下から階段を上がると一気に視界が開け、木の温もりとタウンビューが気持ちのいい爽やかなLDKへ。さらにリビング階段から2階に進むと、屋根裏のような勾配天井にミントグリーンの壁、秘密基地のようなロフトと、子ども達の大好きなスペースが現れる。階段を上るごとに雰囲気が変わる住まいには、家族それぞれの「好き」が込められている。
(ナガノの家 2017年秋・冬号 vol.8掲載)