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上田市 / N邸 / 夫、妻
「うちは『キッチンと付属物』みたいな感じですかね」と言い切ってしまう奥さまの言葉通り、N邸の主役は、10帖の広さに吹き抜け天井のあるキッチン。「出張が多くあちこち食べ歩いているうちに食い道楽になった」というご主人と、「フランス留学中に料理記者の友人に付いてまわっているうちにレシピを覚えてしまった」という奥さま。ふたりは大の料理好きで、ここで思い思いに料理をする時間を最も大切に考えている。家庭用としては最高火力のガス台が左右に2台設置され、ドイツ・ミーレ社製の食洗機、大型の冷凍ストッカーはじめ、調理機器の驚くほどの充実ぶりは、台所というより「厨房」といった表現がぴったりだ。
また、N邸にはいわゆる「玄関」がない。「キッチンからも出入りできれば、玄関のスペースは他に使えるね、ということになって」。建物南側に並んだ掃き出し窓が玄関の役割を果たし、インターホンが鳴ると、必要に応じて3つある出入口を使い分けるという。家族にとって必要なものとそうでないものを見極めていく中から生まれた、独自の住まいの形だ。
もともと、地下室収納が欲しかったことがミツヤジーホームを訪れたきっかけ。「Nさん邸は、打ち合わせ時間と特殊要件の多さではピカイチでしたね。それだけに新鮮で、楽しい家づくりでした」と同社の安江社長。Nさんの生活を楽しむ自由な発想と、それに柔軟に応える同社のフレキシブルな姿勢がマッチして生まれた家。今日もキッチンからは、ご夫妻のはずむ会話が聞こえてきそうだ。(ナガノの家 Vol.14 2020年秋・冬号掲載掲載)