☎026-263-0263
長野市 / M邸 / 夫、妻、長男、妻の母
どうやって暮らしを守る?
悩んでいた時に知った
水害に打ち克つ家
眺望のいい2階リビングから秋の風景を楽しんでいると、ふと目に入るのは堤防を覆うブルーシート。ここは令和元年の台風19号で千曲川の堤防が決壊した場所にほど近い、長野市東部の住宅街だ。旧宅は床上160㎝の浸水被害を受け、公費解体と建て替えを行うことに。「実は、他社さんで契約まで進んでいたんですが…」と苦笑するご主人。新築の契約から数日後、たまたま読んだ新聞の記事がどうしても気になり、ミツヤジーホームへ訪れたのだという。
それは同社が信州大学との共同研究で「耐水害住宅」の第一回目公開実験を行った記事。「耐水害住宅のため、こんな大掛かりな実験まで行うのかと驚いたと同時に、『これは信頼できる』と思ったんです。訪れた時に会長さんから『ほぼ実現化できそう』と教えてもらい、すぐにこの家を建てようと心を決めました」と話すご主人。「この地に戻る以上、家族のために安心できる住まいをつくりたかった。もう二度とあんな思いはしたくないですから」という言葉に、被災を体験したからこその計り知れない苦労がうかがえた。
同社の耐水害住宅の特徴は、「こわれない、水が入らない、浮かない」という3要素。水に耐える構造躯体の工夫だけでなく、もうひとつ重点を置いたのが、浸水時でも日常生活を続けられる家ということだ。数日間は水も電気も使え、自宅での避難生活もできるのだという。
奥さまは水害はもとより地震にも強い家を望んでいたというが、1階がコンクリート造の堅牢な住まいはその願いも叶えている。「暮らしを守る」という住宅の基本を今までになく高いレベルで実現し、住む人を安心で包み込む住まいだ。
(ナガノの家 Vol.17 2022年 春・夏号掲載掲載)