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野沢温泉村 / T邸 / 夫、妻、長女、次女
ご夫妻共通の趣味を楽しむ「地下の音楽スタジオ」を実現したいと始めた家づくり。ミツヤジーホームは地下室付き住宅のエキスパートである上、北海道基準の断熱性能を標準装備。寒さ厳しい野沢温泉村でも安心と依頼を決めた。
一番の課題は雪対策で、積雪と屋根からの落雪を含めると計3m程度の雪の壁が生じる。そこでRC造の地下室の一部を地上に出し、1階の床が1m上がるよう設計。地下室技術があるので、高基礎部分を単なる駐車場や物置にすることなく、居住スペースとして活用できた。屋根は雪が自然に落ちるフッ素加工の屋根材を使い、勾配もキツめに施している。
真冬の気温は平均でも零下と、信州でも指折りの厳しさ。ご主人は暖房のランニングコストを熟考し、同社標準プランの温水パネルヒーターの熱源には石油ボイラーを選んだ。「オール電化も考えましたが、妻と娘が日中は家で過ごすため電気代が高い昼の消費量が多く、メリットが少ない。豪雪地帯なので太陽光発電で相殺もできません。灯油価格の安定も後押しになりました」。
全室のパネルヒーター温度設定は35~40℃と低めだが、家中が20℃程度にムラなく暖まり、「子どもが触っても安心」と奥さま。長野市内のアパート暮らしの頃と3階建て全館暖房の現在を比べても、暖房費の差は数千円増えたのみという。気候を読み解いた設計とエネルギー選びで、お財布にも優しい住まいを実現した。
(ナガノの家 2017年春・夏号 vol.7掲載)