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長野市 / S邸 / 夫、妻、孫、犬1匹、猫2匹
生まれ育ったこの家に安心して住み続けたいから
「築何年かなぁ。江戸時代にできたことは確かなんだけど」。長野市の郊外に建つS邸は、古くからこの地で家族を守ってきた古民家。広い敷地内には立派な庭のほか土蔵や倉庫も並び、代々営んできた商家の面影を残している。
増改築を繰り返し、奥さまが「正直ボロボロでした」と話すほど老朽化も目立っていたS邸。改修にあたっての要望は、「この雰囲気を残しつつ、今の暮らしに合う快適で安全な住まいを」ということ。広すぎるために工事は住まいの一部とし、改修部分の約半分をワンルームスタイルのLDKに。小上がり以外のスペースがバリアフリーなのもポイントだ。
最も難航したのは、今や珍しい茅葺屋根の修繕。「茅は厚さ1m以上もあり、反りや凹凸が激しい箇所も。整えるのにひと苦労でした」とは、施工を担当した関工務店の代表・関さん。丁寧に整えた茅葺屋根をガルバリウム鋼板で覆い、堂々たる風格を見事に蘇らせた。
心配だった耐震面も、構造材や耐力壁の追加でカバー。「まだまだ住み続けたいから、安全な我が家になってひと安心」と笑うご主人。人が集い家族の拠り所であり続けてきた、安心感に満ちた暖かな住まいだ。
(ナガノの家PREMIUM 2022掲載)