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長野市 / 関邸 / 夫、妻、長男、長女、次女
父から受け継ぐ和の家に北欧を織り交ぜ次代につなぐ
以前は隣に建つ離れに暮らしていた関さん。家族が増え、手狭になったことから母家に移り住むことになり、それを機に築45年の母家のリフォームを決めた。「母家は昔ながらの和風住宅。広さは十分ですが光が入りにくく、子どもたちをのびのび育てるには課題もありました」。建て替えも考えうる中リフォームを選択したのは、「先代の父への思いと生まれ育った家への愛着」だという。「それに、リフォームは新築と違ってなんでも自由にできるわけじゃない。そこが、すごく面白いと思って」と、目を輝かせながら話してくれた。
関さんご家族が営む関工務店では、“居心地のよさ”を大事にしている。一級建築士の関さんが自邸の設計にあたり心掛けたのは、光がたっぷり入ること、子どもたちがのびのび過ごせること、そして父の作った家の面影を遺すこと。そこで採用したのが、大きな吹き抜けと北欧テイストの融合。「元々北欧のデザインが好きで。和風とかけ合わせた“ジャパンディスタイル”なら、この家の良さが生きる居心地のいい家になると思ったんです」。
完成した住まいは、リビングを中心に各スペースがつながるつくり。隅々まで光の届く開放的な家に生まれ変わった。中でも圧巻なのは、光と空間を巧みに操る吹き抜けだ。ヒノキ小幅板張り仕上げの吹き抜け壁は、曲線を描きながらそのまま和室天井へと続き、空間全体をおおらかに包み込む。床の間や仏壇置き場を敢えて既存のままにしたのは、“お父さまへのリスペクト”だそう。和室でのびのび遊ぶ子どもたちの姿に、「父が見守ってくれている気がする」と目を細める。昔ながらの和の家は北欧テイストと融合し、木のぬくもりと光が溢れる“ジャパンディ”な家に仕上がった。「ソファに座ってふと見上げた時、なんて気持ちがいいんだろうと思うんです」と奥さま。家族を思って作った住まいは、何気ない日常を幸せで満たしている。
(ナガノの家PREMIUM2023掲載)