長野市 ／ M邸 ／ 夫、妻、長女、長男、夫の父、夫の母、犬2匹

吹き抜けとデッキでつながる、互いを尊重した二世帯住宅

　ご実家を二世帯住宅に建て替え、新生活をスタートしたMさんご家族。87坪の敷地をフルに生かした総二階建ての1階に親世帯、2階に子世帯と上下に分け、両世帯ともに空間をゆったり確保している。

　「玄関は共有ですが、キッチンと浴室は別々にしたいと当初から思っていました。両親とは生活時間帯が違いますが、おかげで気兼ねなく過ごせています」とご主人。居酒屋を営むご両親は夕方から仕事に出かけるため、帰宅した子ども達が2階で走り回っても大丈夫。休日は子世帯と一緒に食卓を囲んだり子ども達と遊んだり、つかず離れずの二世帯暮らしを楽しんでいる。

　二世帯をゆるやかにつなぐのが、1階中央のウッドデッキと玄関ホールの伸びやかな吹き抜けだ。「2階の窓を開ければデッキ越しに1階に声をかけられる設計。玄関の吹き抜けも、帰宅した時などに声をかけ合えます」とご主人。これからの季節はウッドデッキで三世代ＢＢＱも楽しめそうだ。また将来の介護の可能性も考慮し、１階の廊下は車椅子が通りやすい幅広設計に。寝室内に洗面カウンターを設け、トイレや浴室を隣接させるなどの配慮も行き届いている。

　設計施工は、建設関係の会社を営むご主人が「施工品質と安心感に惹かれて」と迷わず依頼を決めた北野建設。同社のこだわりのひとつが自然素材だが、M邸も珪藻土の塗り壁や無垢のフローリングをはじめ、住まいの印象を決める外壁には職人の技が映える左官壁を採用した。格調高い佇まいが、６人家族のにぎやかな暮らしを包み込む。
（ナガノの家　2018年秋・冬号　vol.10掲載）