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宮田村 / 松下様邸 / 夫、妻、長男、長女
あっとホームとの出会いは、本誌『ナガノの家』だったという松下さんご夫妻。手掛けた物件のデザインが気に入って連絡をしたところ、トントン拍子に話が進んでいったという。ご主人の趣味はDIY。「家族で大黒柱を山で選んだり、壁の珪藻土塗りにチャレンジといった家づくり体験ができると知って、俄然やる気になりました」と笑顔に。家族総出で家づくりに取り組むこととなった。
ご夫妻が目指したのは、洗練されたデザインと使いやすさを追求した住まい。その象徴ともいえるのが、まるで宙に浮いているかのようなキャンティレバー階段だ。「最初は平屋を希望していたのですが、こんな階段ができるなら2階建てもいいなと思って」とご主人。明かりを灯すと美しい影が現れ、リビングを美しく彩る。
キッチンは薄塗りの左官材・モールテックスによる造作。奥行きを深めにとったキッチンは、味わい深い質感と相まって重厚感があり、造作のテーブルとも違和感なくつながっている。奥さまの希望は、南面に広めの脱衣所を配置すること。外干しの時にウッドデッキにすぐに出られるだけでなく、脱衣所に洗濯物を干すことも想定しての、家事ラク動線だ。
家づくりのテーマについて、「経年劣化ではなく経年優化していく家です」と話すご主人。壁に傷ができれば珪藻土を自分で塗り直し、外壁のスギ板は定期的に塗装する。手をかけるほどに価値と深みが増すヴィンテージ品のように、20年後、30年後にも最高だと思える家が完成したと、満足そうに教えてくれた。(ナガノの家 Vol.17 2022年 春夏号掲載)