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松本市 / 傳田邸 / 夫、妻
土地探しの時、新しい宅地の一角で目にした立派な屋敷林。歴史を重ねた土蔵が見え隠れするその林は今、傳田邸の借景となって癒しの演出にひと役かっている。自由度の高さで選んだあっとホームとの打ち合わせでも、この南側の眺望の活かし方が間取りの基準になった。
デッキにつながるリビングの開口は大きく取って風景を取り込み、お気に入りのテーブルを設えたダイニングには額縁のようなピクチャーウインドウが。ゆるやかな勾配の天井は家の中央に向かうほど高くなり、奥にまで自然光を届け、空間にゆとりをもたらす効果を発揮する。
コンパクトな平屋ながら、広さを実感させる工夫はほかにもある。例えばシューズクロークを兼ねた玄関の土間収納は、ショップのような格子ガラスの引き戸に。色彩鮮やかなキャンプ用品や自転車のグッズなどが整然と収まり、スタイリッシュなだけでなく視線の抜けで空間が伸びやかに見える。LDKまで続く玄関土間は、家の中に導いてくれるよう。大きな壁面は床と接する巾木まで白く統一し、レフ板のように柔らかな光を放つ。「良い絵画と出合ったら飾りたい」という奥さまの言葉から、ホームギャラリーとしても活躍しそうだ。
あっとホームでは、施主も参加する家づくりが特徴のひとつ。壁の凹凸が味わい深い陰影をつくる塗り壁は奥さまの力作で、愛着も思い出もよりいっそう深まったという。「居心地は最高です」とご夫妻。家族と一緒に年齢を重ねるのが楽しみな、経年変化も愛せるわが家だ。
(ナガノの家 Vol.18 2022年 秋・冬号掲載掲載)