長野市
株式会社湯本建築設計
株式会社湯本建築設計 (長野市)
須坂市 / S邸 / 本人、長男、長女、次女
「自分好みに作り込みたいから、家はシンプルな“箱”でいい。ただ、その“箱”に対する考え方が湯本建築設計さんと驚くほど似通っていました」と話すSさん。例えば、落ち着きを重視して低めに抑えた天井、素材感を活かした内装や引き戸など。それらはすべてSさんの思い描く希望だったのと同時に、同社の規格住宅「誠の家」の標準仕様でもある。「規格住宅だから、あれこれ迷うことなく進められたのもポイント。ほぼ基本プランのままで希望が叶えられるとわかり、すぐに依頼を決めました」。
S邸のもうひとつの特徴は、東側に設けた幅6mもの大窓。窓の向こうに見事に咲き誇るサクラが望める、特等席のLDKだ。「長年ご家族が大切にしてきた庭を屋内から眺められることはもちろん、母屋や道路との間の取り方も熟考しています」と同社の湯本社長。その結果、二世帯が程よい距離を保って暮らせる適度なゆとりと絶景が生まれた。
日々多忙なご主人のお気に入りはウッドデッキ。「いわば昔の家の縁側かな。ついひと休みしたくなる、不思議と居心地のいい場所なんです。この家にはそんな、ホッと和める場所がたくさん」と笑顔に。何気ない日常を受け止め、心地よさに変えてくれる懐の深い“箱”が、これからどんな彩りになっていくのか楽しみだ。(ナガノの家 Vol.16 2021年 秋・冬号掲載)