飯綱町 ／ H邸 ／ 夫、妻、長男、次男

“好き”に囲まれて暮らす 木の香る、三角屋根の家

　山間ののどかな土地に建つ、煙突のある三角屋根の家。メタリックシルバーの外壁に杉板を合わせ、リズムよく窓の並ぶ姿は素朴ながら洗練されていて、ひと際目をひく。長男の出産を機にご主人の両親と祖父母が暮らすこの地に居を移したHさんご家族。「将来を見据え住まいについて考えるなか、母家の隣に家をつくることになりました」とご夫妻。その後、かねてから親交のあった田中建築の田中社長に相談し、家づくりをスタートさせた。

　計画にあたり大事にしたのは、素朴でシンプルなこと。「家で答えを出しすぎず、後から加える楽しみをとっておきたかったんです」。その上で、子ども服などを創作する奥さまのアトリエや、靴・服好きなご主人の見て楽しめる収納、吹き抜けやオープン空間など、自分たちらしい暮らしを叶えることにもこだわった。もうひとつ大事にしたのが、煙突のある三角屋根の家という住まいのかたち。山間に佇む姿を想像しながら、丁寧に検討を重ねて理想の住まいをつくり上げた。
　完成した住まいには、木の丸テーブルや北欧ヴィンテージのローボードが置かれ、棚にはすてきな器やカゴが並んでいる。野山で手に入れた木の実や小枝も飾られていて、素朴で丁寧な暮らしぶりが伺い知れるようだ。「好きなものに囲まれ、ゆったり暮らせて心地いい」とご夫妻。母家との往来を楽しみながら、穏やかで丁寧な暮らしは続いていく。（ナガノの家　Vol.19　2023年 春夏号掲載）